最初に読んだ本は多分絵本であったろうが、いつ、何を読んだか、そんな記憶はとんとない。
懐かしいもの、としての絵本だが、そんな中でも印象に残る絵本というのは確かにある。
手元にはなくとも、絵や言葉の断片を記憶していたり、印象が深い、そんな絵本だ。
絵本とは言えないが、マンガも絵と文字で「構成」されていると考えれば、これもまた読書
のうちであろう。
読書の楽しみは、最近では多様化してきた。
本でなく、要は紙ベースではなく、電子書籍なるものによって、さまざまな「書物」を
読むことができるし、インターネット上で、色々な文章にも接することができる。
とはいえ、電子書籍化されているか否やは問わず、好きな「本」を取り上げてみたいという気持ちは
ある。自分で書いたエッセイやミニミニ小説もどきも含めて、それをブログで書いていきたい。
アスタウンディングというSF誌がある。そこからデビューしたSF作家は多いが、そのひとりに
アイザック・アシモフがいる。彼の本は何冊も読んでいるし、取り上げたい本は沢山あるが、
今日は、新潮文庫から出ている、「アシモフの雑学コレクション」を紹介したい。
これまたSF作家の、星新一の編訳によるもので、アシモフの博識の一端に触れることが出来る
一冊である。
巻末に、星進一が、驚く楽しみ、として、この本について書いているので、多くは書かない
けれど、項目は多岐にわたり、地球、太陽系、宇宙、などから始まり、エンターテインメント、
奇妙な規則、法律、および慣習、天才、軍事機密、など、目次を読んだだけでもわくわくする
本であるが、ひとつだけ、最初の方の、うごめき、這うもの、と題された中にでてくる、一文
を取り上げることにする。
蚊には47本の歯がある。
これにはびっくりした。ちょっと考えられない話であった。
興味のある項目だけを、ちら読みするだけでも、なるほどねえ…と妙に納得したり、えっ!
とびっくりしたり、楽しさ満載の一冊である。
地球とそれを取り巻く天体、生き物、歴史、文学、音楽、軍事にかかわることまで、おそらく
記憶力のずば抜けて良いアシモフは、頭の中にあることをちょいと書いていて、そのなかの
面白い興味あることがらを、ショートショートの名手である、星新一が選んで訳したのだから
読んで楽しくない訳は無い、と私は思う。