ケンイチとともだち 3

ケンイチの家の玄関先には、お客さんが来ていました。 お客さん、といっても、ケンイチのことを可愛がってくれている、ニ学年年上の、近所のおにいちゃ ん、とおる君でした。 とおる君は学校が終わって家に帰る前に訪ねて来たのですが …

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ケンイチとともだち 2

当番の掃除を終えると、ケンイチは一目散に下駄箱を目指しました。 大急ぎで上履きを脱ぎ棄て、スニーカーを履いて、雨の止んだあとの道路の埃のにおいを 吸い込みながら、空き地へ大急ぎで向かいます。 待ち合わせの時間にはまだまだ …

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ケンイチとともだち

「あんなに約束したのになあ」 ケンイチは、つまらなそうに足元の小石を蹴って、ため息をつきました。 沈みかけた夕日が春の宵を彩り、オレンジ色の空には宵の明星が、明るく輝いています。 「ちぇっ」ケンイチは舌打ちをすると、家へ …

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読書の楽しみ

最初に読んだ本は多分絵本であったろうが、いつ、何を読んだか、そんな記憶はとんとない。 懐かしいもの、としての絵本だが、そんな中でも印象に残る絵本というのは確かにある。 手元にはなくとも、絵や言葉の断片を記憶していたり、印 …

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