分野としてはSFで、その中でもスペースオペラというジャンル付けの(歴史物と
の評もあり)「銀河英雄伝説」であるが、田中芳樹の大ヒット作であるのは広く
知られている。アニメでOVA本編だけで110話が製作されているがこちらも
また多くのファンを獲得している。
原作の方は、創元推理文庫版のものを読んでいるが、六巻まで読み終えた。
手元に七巻を除く最終巻(十巻)まではあるので、八巻を読み進み、購入を
考えているところだ。
話の流れも含めて「読ませる」小説だと思う。ある意味登場人物は、意外性に
富むとは言えないかもしれない気がする。それでもなお読みたくなるというのは
話の流れや、矛盾するようだが小説の中の人々に魅力があるからだろう。
原作にかなり忠実に作られているという製作に携わった方の言葉も読んだが、
アニメは、外伝も含んではいても、会話も説明も原作を余り変えずに作られて
いるようだ。そしてセリフが非常に多いアニメである。
また登場人物がかなり多い。話の面白さで引っ張られてしまうので、些細なことは
気にならない感じだが、アニメも並行して観ている感想をちょっと書くと、こちらは
豪華な声優陣(錚々たるメンバーで、しかも大物声優と呼ばれるひとがちょっとしか
登場しない人物をやっていたりするという贅沢さ)で、そこから「銀河声優伝説」などと
呼ばれているというのも何かで読んだ。
そこが堪能のしどころかもしれないが、個人的には、音楽の使い方にやや違和感を
覚える。クラシックを使う、ということで著作権の問題を解消したという話をこれまた
製作者の方の言葉として読んだが、その音楽が比較的大きめな音で(声とのバランスと
して)使われている気がするのと、使うタイミングが微妙な気がするのである。
これに対しては意見も様々とは思うが、私見ではあるけれど、違う曲でもよいのでは
ないかと思ったり、この場面でここを使うのかと驚いたりしてしまい、セリフを聞き損ね
てしまったりするのである。それもまた楽しんでしまうのが良いのだろうか。
アニメ、原作ともども全部観て読破したらまた、この作品について書いてみたい。
SFは読まないという方にもお薦めしたい本である。読書は余りしないというなら、
アニメの方をいかがかと。